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DIYで防音室自作

【DIYで防音室自作!】防音とは?吸音と遮音の仕組み。防音の基礎知識

投稿日:2020年11月12日 更新日:

「防音室を制作するぞ!」

となれば防音に関して

最低限知識が必要ですよね。

 

複雑なことはたくさんありますが、

今回は自作にあたって

必要最低限の基礎知識を紹介します。

 

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防音とは?

まずは「防音とは何か?」

ということについて考えましょう。

 

防音とは、

文字通り『音を防ぐこと』ですが、

もう少し詳しく掘り下げていくと

防音は4つの要素から成り立っています。

 

4つの要素とは

遮音

吸音

防振

制振

であり、効果的な防音をするためには、

それぞれを考慮する必要があります。

 

①遮音

遮音とは、音を遮ること。

音を反射させ、通過を防ぐ

ということになります。

 

壁を通過して、

音が外部(または内部)に

漏れることを防ぎます。

 

防音ブースの場合は、

壁を通過して、

中の音が外に漏れ出さないことが

重要となりますので、

遮音材でブース全体を囲むことが必要です。

 

隙間なく、しっかり遮音することが

とても重要になります。

 

②吸音

遮音は音を反射させる効果ですので、

遮音のみの対策では、

外部に抜けることの

できなかった音は

防音室内で反射し続けます。

 

そうすると室内では、

音が反射し続けることにより、

反響が必要以上に大きくなります。

 

反響が大きすぎると、

音の明瞭さが失われ、

非常に聴きづらい音楽となります。

 

そこで必要なことは吸音です。

こちらも文字通り、

音を吸収することですが、

こちらは遮音と違って、

音の反射を防ぎます

 

音の反響をコントロールすることは

音楽において非常に重要です。

 

③防振・制振

音とは振動です。

振動が空気や床を伝って(振動させ)、

音として耳に伝わります。

 

防振や制振というのは、

振動の伝達を少なくしたり、抑えたりして

音が伝わることを防ぐことをいいます。

 

厳密にいえば、

防振と制振は少し意味が違いますが、

防音室を自作する上では

同じ様なものといった認識で十分です。

 

防振と制振

■防振について

振動の伝達をできるだけ少なくし、

伝えないようにすることいいます。

振動そのものを抑えこむわけではなく、

伝達しないようにします。

 

■制振について

発生した振動を

短時間に小さくすることをいいます。

振動を短時間で減衰させ、

振動そのものを抑え込みます。

 

防振と制振についてはあまり深く考えず、

振動を軽減するぐらいの認識でOKです。

 

音の伝わり方

次は音の伝わり方についてです。

 

音そのものはどのようにして

伝わっていくのでしょうか。

 

音は、

空気を介して伝わりますが、

固体を介しても伝わります。

 

それぞれに特徴があり、

それぞれに対応した

防音対策を施すことが必要です。

 

①空気を伝う(空気伝播音)

空気を伝わる音のことを

空気伝播音といいます。

 

基本的な音の伝わり方で

大抵の音は空気を伝わって

耳に届いていますね。

イメージもしやすいでしょう。

 

空気伝播音の対策は、

遮音と吸音が基本的です。

 

隙間をなくし、

気密性を高めることが大切です。

 

②固体を伝う(固体伝播音)

固体を伝わる音のことを

固体伝播音といいます。

 

床や壁、天井を介して

音が振動として伝わっていきます。

 

・上階からの足音

・ドラム等の床に設置する楽器

・ピアノの打鍵音、ペダルを踏む音

・スピーカーの底部から床に伝わる重低音

・ギター演奏中の足踏みなど

上記の様な音がこれに当たります。

 

対策は空気伝播音と違い、

こちらは少し厄介です。

 

固体が振動を伝えるため、

振動を防ぐためには

重い材料が必要となります。

 

「防音は重さだ。」と言われる由縁です。

 

固体伝播音は固体の振動が原因ですので、

対策としては防振や制振が必要となります。

 

防音と単位

防音でよく使われる単位についても

簡単に紹介しておきます。

 

音の高さを表す単位【Hz】

音の高さを表す単位として、

『Hz』(ヘルツ)があります。

 

もう少し正確に言うと、

1秒間の音の振動回数のことを指します。

 

低い周波数ほど振動回数の少ない低い音、

高い周波数ほど振動回数の多い高い音、

となります。

 

余談ですが、

人間が音として聞き取れる周波数は、

20Hz〜20kHzと言われています。

 

一般的に、

低い周波数の音ほど防音は難しいです。

 

ドラムの防音が難しいと言われるのは、

打撃音やバスドラムには

低い周波数が含まれているからです。

 

音の大きさを表す単位【dB】

音の大きさ(音圧)を表す単位として、

dB(デシベル)があります。

 

音楽活動をしているなら

ミキサーなんかでもよく目にしますよね。

 

音の大きさを数字で表します。

 

日常生活で静かと感じるのは

45dB以下と言われています。

■日常生活における騒音レベル(dB)

【とても静か】〜20dB

木の葉の擦れる音

【静か】〜40dB

深夜の郊外、図書館内

【普通】〜60dB

普通の会話、走行中の自動車内

【うるさい】〜80dB

パチンコ店内、走行中の電車の中

【とてもうるさい】〜100dB

地下鉄の構内、電車通過時のガード下

【聴覚に障害】〜120dB

飛行機のエンジンの近く

 

自作防音室の制作においては、

もともと部屋が持っている

遮音性能があるので、

防音室外で計測して

60dB前後であれば問題ないでしょう。

 

防音・遮音性能を表す単位【Dr値】

防音・遮音性能を表す単位として、

Dr値というものがあります。

 

『Dr-30』のように

表示するのですが、これは

平均して30dBの音を遮る性能がある

ということを表しています。

 

全ての周波数において

30dBの音を遮ることができるわけではなく、

高い音ほど遮る性能が高くなり、

低い音ほど遮る性能は低くなります。

 

そのため『平均して30dB』

という表現になります。

 

さいごに

思った以上に長くなってしまいましたが、

大切なことは3つです。

・防音を考える際は、遮音・吸音・防振をセットでトータルして考える。

・低い音の防音は難しい。

・空気を伝うか固体を伝うかによって対策が異なる。

 

上記を考慮した上で

防音室の設計を行いましょう。

 

原因が分かれば、

正しい防音対策ができるはずです。

 

 

 

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-DIYで防音室自作
-,


  1. とっつぁんです。 より:

    こんにちわ!Youtubenリンクからこちらの記事を拝見させていただきました。
    僕も防音室のDIYを検討中なのですが、Kさんがこちらの防音室の構想を練られた際に箱の大きさはどういったポイントを基準に決めていったのでしょうか?

    現在床部分の大きさを決めかねています。各材料の寸法と作業工程はHPやYoutubeに記載されているものをほぼ100%参考にさせていただく予定です。およそ必要になるであろう材料はホームセンターで確認し寸法等はメモしております!

    予定では一般的な合板の三六(1,820×910) 1枚分を床面積の基礎として考え、壁部分を設置していく予定なのですが四方の壁の厚みを(壁一枚の厚みが9+45+0.5+9=約63.5mm)考慮すると室内の床面積がかなり狭くなってしまいます。
    三六1枚を選択した理由としては床の表面を1枚にすることでカットの工程を省くことができるからです。

    ・箱の外寸を決めたポイントは何か (主に床面積について)
    ・防音室の外寸と内寸は縦、横、奥行それぞれいくつになったのか

    もしよろしければ上記2点についてご教授いただけませんでしょうか??
    よろしくお願いします!

    • acousticspace より:

      はじめまして!
      閲覧頂きありがとうございます!
      参考にして頂き嬉しいです。

      【箱の外寸を決めたポイントは何か (主に床面積について)】
      決定のポイントは使用用途です。
      今回私はボーカルとギターの録音をする前提でしたので、ギターが座って弾ける広さを基準にしました。内側のサイズを基準に外寸は決定しています。

      【防音室の外寸と内寸は縦、横、奥行それぞれいくつになったのか】
      外寸:1003×1363×2170
      内寸:877×1237×2035
      コストは上がりますが、広さを重視しました。(小数点以下切り捨て)

      コストを抑えるなら
      外寸:910×1820×1820
      内寸:784×1694×1685
      が最も安く収まりますが、高さが問題になります。
      ボーカルのみの使用だと背が低ければ問題なさそうですが、、

      上手く製作できるといいですね!
      お力になれたなら幸いです!

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