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DIYで防音室自作

【DIYで防音室自作!】ダイジェスト版。レコーディング用、練習用のボーカルブースを自作!賃貸マンションに録音環境を!

投稿日:2020年7月30日 更新日:

本記事はダイジェスト版です。

 

↓制作風景はこちらから

(撮影してもらいました)

 

詳細は以下にリンクを貼ってます。

気になる方はどうぞ!

 

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設計・買い出し

構想を練り、設計します。

 

材料の買い出しがとても大変。なんといっても重さがきつい。総重量200kg前後です。w

 

床をつくる

まずは床からつくり始めます。材料をカットしてビスで接合し、枠をつくります。

 

床には『防音・制振Dマット』を敷きました。

枠が出来たら合板を貼りビスでとめます。合板は12mmの針葉樹合板を使用しました。

次は内側に吸音材を入れます。今回吸音材は、『ロックウール』を使用しています。

天板を貼ります。こちらも12mmの針葉樹合板です。隙間はコーキングで埋めました。

天板の上に、再度『防音・制振Dマット』を敷き、床の完成です。

 

↓詳しい解説はこちら

 

外壁をつくる

今回壁は二重壁とし、内部に空気層を設けることにしました。

 

床と同じように壁をつくります。

枠が4面分出来たら、L字になるように枠同士を接合します。L字となるように接合することで壁が自立し、作業しやすくなります。

 

木枠を床の上にのせ、ビスで床と接合します。

(※写真は手前しかとまっていません。)

 

壁が立ち上がったら、遮音シートを外側に貼り付けます。遮音シートは、文字が書いている方が内側に向くように貼り付けます。

 

貼り付けにはタッカーを使用します。

天井に1本梁を通しておきます。

天井をのせます。天井となる板に遮音シートを貼り付け、外側からビスで固定しました。

ドア枠を取り付けておきます。ドア枠には『2×4材』を使用しています。

外壁となる合板を外側からビスで固定し、外壁の完成です。

 

内壁をつくる

外壁ができ、一気に防音室らしい見た目になりましたね。内側はこんな感じなっています。

寸法通りにつくっていても、どうしても少しの隙間ができてしまいます。防音室に隙間はご法度なのでコーキングで塞いでいきます。

 

少し雑ですが、内壁を貼ると見えなくなるのでOKです。マスキングなしで厚めにコーキングします。

コーキングが乾燥したら吸音材を取り付けます。換気扇の配管もあらかじめ通しておきます。

内壁を貼ります。照明などの配線は、内壁を貼る前に通しておきます。

内壁を貼っていきます。微妙な誤差に対応するために、寸法は現場で合わせます。

換気扇のフード、コネクターボックス、電源等を取付けしたら内壁の完成です。

 

↓詳しい解説はこちら

 

ドアをつくる

『目の字』になるように枠を組みます。

壁と同じように遮音シートを貼り、上から合板を貼り付けます。

重たくなるので、吸音材は内壁を貼る前に先に取り付けました。

 

蝶番は3つ使用しています。

内側に吸音材を入れ、遮音シート、合板を貼ります。

扉ができたら、戸当たりをつけます。

1×2材を使用しました。

グレモンハンドル(グレモン錠)の自作

次はドアノブを取り付けします。

 

防音室のドアノブは『グレモン錠(グレモンハンドル)』というものが使用されることが多く、購入すると安くても1〜1.5万円程度します。

 

構造が単純でつくれそうな気がしたので自作することにしました。

■用意するもの
・φ15mmとφ32mmのアルミパイプ 各1本
・φ32mmの木材(丸棒) 1本
・M10のボルト 1本
・M10ナット 4個
・ワッシャー 2枚
・スペーサー 2個
・パイプハンガーの受け金具 4個

 

アルミパイプ、木材ともにジグソーでカットします。木材はアルミパイプの中におさまるようにノミで削ります。

アルミパイプの中に木材を入れ込みます。(ある程度削って、ハンマーで叩いて入れました。)

穴あけ加工をしていきます。穴あけができたら組み立ててみます。

余っていた合板をカットし、扉に取り付けました。

 

パイプハンガーの受けは2つ(内側・外側)を軸にビス留め、2つ(内側・外側)はカットした合板にビスで固定します。

 

スムーズに回転すればハンドルは完成です。

次は室内側の受けとなる部品をつくります。余っていた1×2材をノミで削り、加工します。

室内に取り付け、扉がしっかりとしまるように調整します。滑りが悪かったので、アルミ板を貼りました。

 

ある程度ドアの隙間が埋まるようになれば、戸当たりテープで隙間の調整をして完成となります。

 

↓詳しい解説はこちら

 

電気・配線関係

防音室と並行して、配線や電気周りも作っていきます。

 

今回必要な電気関係は

・照明

・スイッチ

・コンセント

 

録音するのに必要な配線は

・マイク接続用のXLRコネクタ

・ギター接続用のフォンジャック

・ヘッドフォン様のジャック

以上が必要です。

 

壁の中での取り回しが必要な配線関係は内壁を貼る前に通しておいた方が作業しやすいです。

 

また電気工事をする場合は、電気工事士の資格が必要となります。

 

照明から取り付けしました。

コンセントは露出のものを使い、モールを取り付けします。

録音するのに必要なジャック、コネクタ類はコネクターボックスにまとめることにしました。

 

既製品を探しましたが条件に合うものがなく、価格もそれなりにするので、こちらも自作することにしました。

 

防音室の内側、外側ともにコネクターボックスをつくります。

 

タカチ電機工業さんのSW型プラスチックケースを使用することにしました。

 

穴をあけ、配線を通します。

ジャックそれぞれをはんだ付けし、繋いでいきます。

 

カバーを取り付けしたら完成です。

 

換気扇

防音室には必ず換気設備が必要です。

 

大きな問題は、換気扇の設置には壁に穴を空ける必要があり、その穴から音も一緒に外へ逃げてしまいます。

 

相反する状況を解決するために『ロスナイ』という換気扇を購入しました。熱交換により換気を行う換気扇で、吸気、排気を同時に行います。YAMAHAの防音室、アビテックスにも採用されています。

配管などが付属していないため、購入する際は忘れずに注文しましょう。

取扱説明書に沿って設置します。

配管を壁厚+3cmで切断し、付属の断熱材を巻き付けます。

壁に穴を空けます。

 

ホールソーを持っていなので、ドリルで円形に穴を空け、くり抜きました。

 

補強のため余っていた板を1枚貼っています。

 

先ほどの取り付けプレートを設置します。

 

引っ掛ける様な形で本体を取り付けします。

 

電源は周りを取り付けし、カバーをつけたら本体側は完成です。

続いて防音室内側にフードを取り付けします。まずは配管の周りの隙間をコーキングで埋めます。

 

取り付けプレートを固定します。

 

フードを被せたら完成です。

 

↓詳しい解説はこちらから

 

内装関係

床はタイルカーペットを敷きます。

 

カッターで簡単に切断できるので加工しやすく、素人でも取り扱いしやすいです。

床にぴったりのサイズにカットし敷き詰めます。

 

壁には吸音材を貼ります。ポリウレタンフォームの吸音材を48枚購入しました。

 

開封して1日程度放置しておくと勝手に膨らみます。

材質上接着剤等で貼り付ける事は難しいのでタッカーでとめました。壁面全体に貼り付けるのではなく、ピンポイントで設置しています。

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完成!

とうとう完成しました。

平日は仕事、休日は1日中防音室といった風に自作していたので、久しぶりにゆっくり休めそうです。

 

製作費・製作時間

気になる製作費用について発表します。

 

今回自作したこちらの防音室は、

約80,000円となりました。

 

内訳はこちらです。

構造材:25,483-
防音材:21,760-
ドアハンドル:3,759-
換気設備:12,856-
電気設備:3,680-
音響関係:2,738-
その他:10,376-

 

⇩詳細はこちらから

 

次に製作時間です。想像よりも遥かに大掛かりなDIYとなりました。2回の休みは1日中制作していましたが、完成までに1ヶ月かかりました。作業日数にして7です。これ以外に構想や設計に費やした時間があります。

 

新型コロナウイルスの影響でホームセンターの木材カットサービスがなく、木材のカットを全て自分で行いましたのでホームセンターでカットしてもらえていたらもう少し期間の短縮ができたかもしれません。

 

DIYでつくった自作防音室の防音効果

さて、気になる防音効果の発表です。

測定には以下のアプリを使用し、

iPhoneで測定しました。

デシベルメーター

 

3箇所で測定しました。

・防音室内

・防音室前

・防音室を設置した部屋のドア前

 

測定値は以下の通りとなりました。

(最大値で記載しています。)

 

防音室内:98dB

防音室外:68dB

部屋の外:44dB

 

大成功です!

平均30〜40dBほどの防音ができており、

想像以上の効果です。

 

防音室外ではDr-30dB程度、部屋の外ではDr-50dB程度の防音効果となりました。壁を隔てた隣の部屋ではほとんど聞こえないほどです。

 

体感で例えると、防音室のある部屋内では会話程度の音の大きさとなり、部屋の外では、図書館程度の音の大きさとなっています。深夜の郊外でも30dB程度の音が鳴っていますのでそれと比較しても十分な性能でしょう。

 

さらに防音効果を高めるためには、ドアに工夫をすればもっと防音ができそうです。

 

↓効果検証はこちらから

 

防音室自作を考えている方へ

実際に防音室をつくってみて感じたことですが、防音室の自作は、想像以上に大掛かりで大変な作業です。自作する際は覚悟して取りかかった方がいいです。

 

ちなみに今回自作した防音室と同程度の防音効果のある防音室を購入するとなると、新品で40万〜80万円程度販売されています。(0.8畳程度。Dr30〜40程度の防音性能)

 

制作時間を考慮しても十分ではないでしょうか。

 

自作防音室はとてもコスパに優れています。できる事なら自作したいものですよね。

 

せっかくですので制作にあたっての詳しい解説を公開しておきます。お役に立てれば幸いです。

 

 

↓制作風景はこちらから(撮影してもらいました)

 

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  1. みーやん より:

    防音室導入を検討しており大変参考になりました。ロスナイ取り付け方法はカワイの防音室ナサールと同じですね。効果もDr30から35となり素晴らしいと思いました。さらに防音室の外壁にも遮音材を貼り付けるとより防音効果は高まるでしょうか。

    • acousticspace より:

      みーやん さん
      コメントありがとうございます!

      防音室の外壁の上から、遮音シートなどの遮音材を貼っても効果は期待できません。合板や石膏ボードを2枚貼りにすれば、わずかに効果はありますが、費用対効果が悪いです。壁厚を厚くするよりも、壁中の空気層を広く取った方が、防音には効果的です。

      本件防音室の防音効果をさらに高めるなら、隙間の出来やすいドア周りを徹底的に防音することが、最も効果的だと思います。

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