音名については、以前の記事で解説させて頂きましたが
よく混用されがちな似た言葉で
”階名”というものがあります。
今回はこの”階名”と”音名”の違いについて解説していきます。
音名については詳しくはこちら。
CONTENTS
絶対音感と相対音感
”絶対音感”
テレビなんかで聞いたことがありますよね?
音を聞くと
「この音はド、この音はソ。」
といったように、周りに基準となる音がなくても
鳴っている音が何の音なのかがわかる能力ですね。
名前に”絶対”という言葉がついているように
いつ、誰が、どこで聞いても”ド”の音は必ず”ド”です。
これに対して、”相対音感”といった言葉があります。
聞いたことはありますか?
相対音感とは、誰もが身につけている能力です。
周りの音を基準に、その音と周りの音の高さを認識する能力。
簡単にいえば、
ドの音を鳴らし、次にレの音を鳴らす。
聴けばどちらの音が高い音かわかりますよね。
それが相対音感です。
音名とは絶対音感
音名とはそれぞれの音につけられている音の名前のことです。
”ドレミファソラシド”のことですね。
どんなピアノでもドの音を鳴らせば
基本的に必ずドの音がなります。
絶対的な音の名前ですね。
階名とは相対音感
音名に対して、階名という言葉があります。
見出しにも書いているように
階名とは相対的な音の高さを表すものです。
ピアノでドの音を弾きます。
音名はもちろんドですが
階名では基準の音が分からなければ
その音がドであるのかを判断することができません。
基準の音とは主音(ルート)のことで、
ドレミファソラシドの始まりの音です。
ドレミファソラシドだと主音はドですね。
今はわからなくても大丈夫。
詳しく説明していきます。
ドが移動する?
ドレミファソラシドの楽譜です。
キーがCの場合は音名と階名は同じです。
ですが下を見てください。
これはキーがGの”ドレミファソラシド”です。(階名表記といいます。)
ソの音がドの音になっていますね。
階名とはこういうことです。
この移動したドを”移動ド”なんて呼んだりもしますね。
階名とは順番である
階名というものを分かりづらくしているのは
音名も階名も”ドレミファソラシド”を使って
表記しているからなのです。
簡単に言えば、
階名とは音の順番を
”ドレミファソラシド”で表しますよ。
ってことです。
1番目の音はド、2番目の音はレとしましょう。
ってことなんです。
そう考えて頂くと
少しは分かりやすくなるのかなと思います。
音名と階名の比較
参考までにいくつか実際に比較して見てみます。
キーがAではこうなります。
ラから始まっていますね。
ラが主音(ルート)ですが、ドに置き換えています。
キーがE♭ではこうなります。
ミ♭が主音(ルート)で、ドに置き換えています。
なんとなく理解できましたでしょうか。
階名では主音(ルート)は常にドとなります。
なぜ階名を使うの?
ここで疑問には思わなかったでしょうか。
なぜ、わざわざソの音をドの音に置き換えて考えたりするのかと。
音名ではなく、階名が用いられる理由を考えてみました。
♯や♭がつくと歌いづらい
私が学生の頃、音楽の授業でありました。
課題曲を歌詞ではなく、ドレミで歌うことはなかったですか。
”ド-レ-ミ-ファ-ソ-ラ-シ-ド”と歌うところを
”レ-ミ-ファ♯-ソ-ラ-シ-ド♯-レ”と歌ってみましょう。
♯や♭がつくと歌いづらいですし
メロディーが変わってしまいますよね。
ドレミファソラシドの方が歌いやすいから。
理由の1つです。
楽器の特性上、階名を使う
そのほかの理由として
楽器の特性によるものもあります。
吹奏楽器ではドの音がシ♭だったりミ♭だったりする楽器もある。
そういう楽器でドレミファソラシドを吹くと
シ♭-ド-レ-ミ♭-ファ-ソ-ラ-シ♭となります。
譜面自体もドの場所がシ♭に置き換わっている
移調した譜面を使うことも多いです。
こういった場合も階名表記の方が便利ですよね。
そもそも音階はドレミで歌えるように出来ている
ドレミファソラシドは音の構成(並び順)が決まっています。
音はドから次のドまで12個の音に分割されています。
そのうちの7つの音をある一定の並び(間隔)で揃えたものが
”ドレミファソラシド”なんですね。
同じ法則に基づいて、音を並べれば
ドから始まろうが、レから始まろうが
ドレミファソラシドに聞こえるのです。
まとめ
音名と階名について理解頂けたでしょうか。
理解ができれば、階名も便利なものです。
意味がわかっていれば
急な転調やキーの変更なんかにも役立ちますし、
ボイストレーニングなんかでも役立ちますよ。