↓制作風景はこちらから
(撮影してもらいました)
自作した防音室の制作費用
防音室を自作するとなると
気になるのは費用ですよね。
・どれぐらいの防音性能を持たせて
・どれぐらいの大きさの防音室で
・どんな材料を使うか
これらによってコストは大きく変わります。
結局は性能に何を求めるかです。
今回私が自作した防音室は、防振・制振に対する対策あまりせず、コストカットしています。
試してはいないですが、重量衝撃音(ドラムのキックなど)は、おそらく伝えてしまうと思います。しかし歌とギターという使用用途では、現状全く問題を感じていません。
さて、それでは自作防音室製作にかかった費用についてお話していきます。
まず今回自作した防音室のスペックは以下の通りです。
■スペック
遮音性能:Dr-30〜40dB程度
大きさ:0.8畳程度
室内高さ:2100mm程度
換気設備:ロスナイミニ(熱交換式換気扇)
■主な材料
吸音材(壁中):ロックウール
吸音材(内壁):ウレタンフォーム
主な構造材:米松垂木・普通合板
ざっとこんな感じですね。
深夜でも歌うことができる防音性能です。
かかった費用は、、、
約80,000円でした。
高いと感じましたか?
安いと感じましたか?
次は内訳を見ていきます。
内訳について
内訳は以下のようになりました。
防音材:21,760-
ドアハンドル:3,759-
換気設備:12,856-
電気設備:3,680-
音響関係:2,738-
その他:10,376-
合計:80,652-
こうして見返すとやっぱり換気設備にかなりお金がかかってますね、、ここは工夫すれば抑えれそうです。
材料別内訳
材料別にもう少し詳しくまとめました。
構造材 | 単価 | 数量 | 金額 |
針葉樹合板(1820×910×12)【床材】 | 1050 | 2 | 2,100- |
針葉樹合板(1820×910×9)【外壁等】 | 898 | 10 | 8,980- |
普通合板(1820×910×5.5)【内壁等】 | 698 | 5 | 3,490- |
2×4材 8F【戸枠】 | 548 | 2 | 1,096- |
1×2材 6F【戸当たり】 | 298 | 4 | 1,192- |
米松垂木(45×45×2000)【骨組みなど】 | 260 | 33 | 8,580- |
防音材 | 単価 | 数量 | 金額 |
防音・制振Dマット(910×910×3) | 996 | 4 | 3,984- |
吸音材(ロックウール 55×425×1360) | 3680 | 1 | 3,680- |
遮音シート(1.2×940×10M) | 2980 | 2 | 5,960- |
タイルカーペット(6×50×50) | 278 | 6 | 1,668- |
内装用吸音材(ウレタンフォーム)48枚入 | 6468 | 1 | 6,468- |
ドアハンドル | 単価 | 数量 | 金額 |
M10ボルト | 163 | 1 | 163- |
スペーサー | 100 | 1 | 100- |
ワッシャー | 4 | 2 | 8- |
ナット | 9 | 4 | 36- |
パイプキャップφ15 | 150 | 1 | 150- |
パイプキャップφ32 | 270 | 1 | 270- |
パイプソケット(受け金具) | 298 | 2 | 596- |
アルミパイプφ32 | 1280 | 1 | 1,280- |
アルミパイプφ15 | 458 | 1 | 458- |
丸棒φ32 | 698 | 1 | 698- |
換気設備 | 単価 | 数量 | 金額 |
【ロスナイミニ】MITSUBISHI VL-06JV2 | 10406 | 1 | 10,406 |
フード【オプション品】 | 1169 | 1 | 1,169 |
吸排気パイプ【オプション品】 | 623 | 1 | 623 |
電源プラグ【オプション品】 | 658 | 1 | 658 |
音響関係 | 単価 | 数量 | 金額 |
プラスチックケース【TAKACHI SW-125】 | 302 | 2 | 604 |
XLRジャック(オス) | 308 | 1 | 308 |
XLRジャック(メス) | 297 | 1 | 297 |
フォンジャック | 286 | 4 | 1,144 |
機材用ケーブル | 385 | 1 | 385 |
電気設備 | 単価 | 数量 | 金額 |
照明本体(LED) | 1580 | 1 | 1,580- |
引っ掛けシーリング | 119 | 1 | 119- |
コンセント一式 | 379 | 1 | 379- |
スイッチ一式 | 199 | 1 | 199- |
VVFケーブル(電気配線用) | 499 | 1 | 499- |
コーナーキャップ | 208 | 1 | 208- |
モール | 348 | 2 | 696- |
その他 | 単価 | 数量 | 金額 |
G-17(接着剤) | 98 | 2 | 196- |
シリコンシーラント | 268 | 13 | 3,484- |
替えステープル | 128 | 2 | 256- |
養生テープ | 228 | 1 | 228- |
コーススレッド(ネジ) | 398 | 5 | 1,990- |
戸当りテープ | 348 | 11.5 | 4,002- |
マスキングテープ(コーキング用) | 110 | 2 | 220- |
製作期間・時間
考えていたより遥かに大掛かりなDIYとなりました。週2日の休みをフルに最大限活用して休みの日はほぼ毎日、朝から晩まで作業していました。
それでも完成までに1ヶ月、作業日数にして7日かかりました。これ以外に構想や設計に費やした時間があります。
こんな感じのスケジュール感となりました。
2日目:床完成・壁の骨組み
3日目:外壁完成(半分)
4日目:天井完成・戸枠・外壁完成(残り半分)
5日目:ドア完成・換気扇取付・配線関係
6日目:吸音材貼り付け(壁中)・ドアノブ製作・内壁完成
7日目:タイルカーペット貼り付け・室内吸音材貼り付け
・材料のカット
・部屋の壁と防音室との間の作業
・天井周り
・隙間のコーキング
これらにかなり時間がかかりました。
新型コロナウイルスの影響でホームセンターの木材カットサービスが中止しており、木材のカットを全て自分で行ったことも製作期間が伸びた大きな要因の1つです。
ホームセンターでカットしてもらえていたらもう少し期間の短縮ができたかもしれません。
また狭い場所での作業はとてつもなく非効率で、そこにも大きく時間が取られました。
より安く製作するには
性能は多少犠牲にしても
もっとお手軽価格で防音室が作りたい!
という方には8万円という価格は少々高いかもしれませんね。価格を抑えるにはいくつかポイントがあります。
・合板の厚みを変更する
・換気扇を熱交換式でない換気扇に変更する
・防音室の大きさを910×1820のサイズで設計する
・身長の低い方なら天井高を1820mmにする
これだけでも費用を大きく節約できます。
また防音性能は大きく低下しますが、壁の構造を二重壁から一重壁に変更するのも求める性能によってはアリだと思います。
コストパフォーマンスについて
自作した場合と既製品を購入した場合、費用面でどれぐらいの差が出るでしょう。
今回自作した防音室と同じ程度のものは新品で40〜80万円程度で販売されています。(0.8畳。Dr-30〜40dB程度のもの)
今回8万円で自作できましたので、製作に費やした時間を考慮しても、十分なコスパです。自作する価値はあるでしょう。
「防音室の自作は無理。」
「製作する時間がない。」
そんな方は購入してしまうのも手です。
簡易的な防音室は、12万円程度から購入できます。
さいごに
防音室は誰にでも自作できます。
費用と時間と手間とを天秤にかけて、購入と自作、どちらが自分にあっているか判断しましょう。
正直かなり手間です。自作される場合は、相応のやる気と根気が必要です。私も何度かやめたくなりましたw
今回の製作過程は以下で公開しています。
自作される際は参考にどうぞ!
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