CONTENTS
↓制作風景はこちらから(撮影してもらいました)
防音ドアの構造
防音ドアは壁と同じ厚み、同じ構造で作りました。壁と同様に枠を作り、遮音シートを貼り付け、合板で挟みます。
ドアの内側には、45mmの空気層を設け、ロックウールを詰めます。
ドアノブ(ドアハンドル)は、一般的な住宅用のものではなく、グレモンハンドル(グレモン錠)を取り付けし、防音効果を高めます。
防音ドアの制作
では、実際に防音ドアをつくっていきます。まずはドアのサイズを考えます。
忘れてはならないことは、ドアにはクリアランス(隙間)が必要だということです。
戸枠のサイズにぴったりでドアを作ってしまうと、ドアを閉めることができません。ドアは戸枠より少し小さめに作り、隙間はあとで戸当たりテープで埋めます。
通常であれば5〜10mm程度、
ドアを戸枠よりも小さくつくります。
今回私はクリアランス6mmで設計しました。
①木材をカット・目の字に組む
サイズが決まれば、まずは木材をカットしていきます。
戸枠の大きさは実際に測りましょう。微妙な誤差があるはずです。実測値からクリアランス分を差し引きして木材をカットします。
カットした木材は、目の字になるようにビスでとめます。
②遮音シート、合板を貼り付ける
壁と同じように遮音シートをタッカーで貼り付け、その上に合板を貼ります。
両側に合板を貼り付けると重たくなり、取り付けが大変そうだったので、この時点で蝶番を取り付けました。
蝶番は抜き差し蝶番を3つ使用しています。歪んで取り付かないように、特に注意を払い取り付けします。
③吸音材を詰める・合板を貼る
内側に吸音材を詰めます。詰め終わったら、遮音シート、合板の順に蓋をします。
あとはドアハンドルを取り付けすれば、ドア本体は完成となります。
今回ドアハンドルは自作しました。ドアハンドルの取り付けに関しては、後ほど詳しく説明します。
④戸当たりの取り付け
戸当たりは1×2材を使いました。戸枠のサイズを実際に測り、カットします。取り付け後コーキングで隙間は塞いでいます。戸当たりと閉めた時のドアが並行になるように注意します。
扉はスムーズに開閉するか?
扉を閉めた時に隙間が出来ていないか?
を確認しながら取り付けします。
〜後日談〜
はじめに取り付けした際に、戸当たりテープの厚みを考慮しておらず、テープを貼ると扉が閉まらなくなりました。戸当たりを取り付けし直し調整しましたが、あらかじめ考慮して取り付けしましょう。
⑤戸当たりテープの貼り付け
最後に戸当たりテープを貼り、ドアの隙間を埋めます。防音室内の電気を消し、内側からドアの隙間を確認すると、隙間があれば光が漏れていますのでよくわかります。
戸当たり側、ドア側両方に戸当たりテープを貼りました。微妙な隙間は余った遮音シートで調整しました。
この隙間を埋める作業、意外と大変でした。音は隙間から漏れやすいのです。
隙間からは中高音が漏れやすいといいますが身をもって実感しましたね。
隙間が埋まればドアの完成です。
グレモンハンドルの自作
ドアノブの取り付けについてです。
通常防音室には『グレモンハンドル(グレモン錠)』といって、ドアを戸当たりに引き寄せて密着させる構造のハンドルを取付けします。
密着させることにより、隙間をなくして防音効果を高めます。
当初は購入する予定で進めていましたが、思いのほか高価だったため、自作することにしました。(安くても1〜1.5万円ぐらいでした。)
構造は単純で、シンプルです。問題となりそうなことは、力がかかる部分ですので強度をどう高めるかを考える必要がありそうです。
構造
『加工しやすいもの』を中心に構造を考えていきます。最も加工しやすいものは木材ですが強度の面で不安が残ります。
ホームセンターをぶらぶらしながら強度があり、加工がしやすい部品を探しました。
考えた結果、以下の図のような構造にしました。
パイプハンガーを設置する際に使用する受け金具を片側2つずつ組み合わせることにしました。
板材はドアハンドルの軸のアルミパイプφ32を少し浮かせ、回転した時にドアと干渉しないよう取り付けしてます。
材料
今回使用した材料は以下の通りです。
アルミパイプ φ15mm
木材(丸棒) 32mm
M10ボルト 1本
M10ナット 4個
ワッシャー 2枚
スペーサー 2個
アルミパイプの受け金具 4個
パイプキャップ 32mm 2個
パイプキャップ 15mm 2個
費用
自作したことにより、費用はかなり抑えることができました。かかった費用は、約4000円です。
購入すれば、10000〜15000円程度はしますが、性能も同じ程度のものとなりましたし、かなりお得に自作することができました。
・アルミパイプ(φ32mm×1m) ×1 【¥1280-】
・アルミパイプ(φ15mm×1m ) ×1 【¥458-】
・木材(丸棒)(32mm×1m) ×1 【¥898-】
・M10ボルト 1本 【¥148-】
・M10ナット 4個 【¥32-】
・ワッシャー 2枚 【¥8-】
・スペーサー(2個入り) × 1 【¥198-】
・アルミパイプの受け金具(2個入) ×2 【¥596-】
・パイプキャップ 32mm (4個入) ×1 【¥270-】
・パイプキャップ 15mm (4個入) ×1 【¥190-】
①アルミパイプ・木材のカット
材料が揃ったところで、まずはカットから始めます。ジグソーでアルミパイプと木材をカットしました。
カットの長さは
【外側】
芯棒の取り付け分+ハンドル分
【内側】
芯棒の取り付け分+ハンドル分+M10のボルト分
を考え、だいたいの寸法でカットしました。
完成形は以下となります。
(スペーサー横のワッシャーは、受け金具と干渉したため、あとで取り外しました。)
ハンドルになる部分、ドアの中を通る芯棒を15mm、32mmは軸として使用します。
木材は32mmのアルミパイプより少しだけ短くカットします。
32mmのアルミパイプをそのままドアに通してもよかったのですが、ドアにあける穴は防音の観点から極力小さくしたかったので、15mmのアルミパイプとしています。
②アルミパイプに木材を詰める
アルミパイプ内に木材を詰めることにしました。アルミパイプだけでは強度的にも不安がありましたし、ドアの中を通る芯棒を取り付けすることも難しかったからです。
木材を32mmのアルミパイプにおさまるようにノミで削ります。アルミパイプ内にはハンマーで叩き入れました。
③部品の加工
それぞれの部品を加工します。
・軸となる部品(φ32mm)
・芯棒となる部品(φ15mm)
・ハンドルとなる部品(φ15mm)
軸となる部品に穴をあけます。ハンドルが通る部分と芯棒が通る部分を15mm、M10のボルトが通る部分を10mmのドリルで穴をあけます。
芯棒が通る穴は、真っ直ぐに穴があくように注意し、深すぎず、浅すぎることのないように穴あけをします。
穴があいたら組み立ててみます。
床材に使用した合板の余りをカットしてドアにとめます。
穴の大きさはパイプハンガーの受け金具の径より少し大きくカットします。真ん中に32mmより大きい穴をあけておきます。(ドリルとジグソーで適当にあけました。)
ドアハンドルの軸(32mm)が干渉しなければOKです。
パイプハンガーの受け金具は2つはそのまま、あともう2つは、側面にビスが通る程度の穴をあけておきます。
取り付けすると以下のようになります。
片側はドアに固定、片側は軸となる部品に固定されていることにより、軸となる部品がドアに接さず、ドアハンドルがスムーズに回転するようになります。
④固定する
実際にドアに取り付け、調整していきます。ドアにはドアハンドルの芯棒を通す穴(15mm)をあけておきます。
固定する前にドアに仮組みしてみて、問題がなさそうだったら、まずは片側をビスで固定します。
次に逆側を固定し、ドアハンドルがスムーズに動くことを確認します。
仕上げにパイプキャップを取り付けすればハンドルは完成です。
⑤受け金具の制作
ハンドルができたら、次は受け金具を作ります。金具といっても木材で作ります。余っていた1×2材をノミで削り加工します。
加工ができたら実際に取り付けし、大まかに調整していきます。
木材のままでは滑りが悪いので、自宅に余っていたアルミ板をカットし、表面に貼りました。
アルミ板が貼れたら微調整をしていきます。
戸当たりテープの兼ね合いもあるので、同時進行で微調整します。(微妙な調整には、遮音シートの余りを使用しました。)
防音室内の電気を消して、隙間から光が漏れていないかを確認します。光が漏れていれば、隙間テープ等で調整します。
ドアの隙間が無くなれば調整完了です。
次は換気扇を取り付けします。