『オススメのドラム音源は?』
と聞かれれば、私は間違いなく、
『BFD3』と答えるでしょう。
まさに生ドラムのような
リアリティーのある
重厚なサウンドが特徴です。
2013年の発売から
今年で8年が経ちますが、
今もなお、ドラム音源の定番として
多くのDTMerに利用されています。
プリセットも豊富で
初心者から上級者まで
幅広いDTMerに
オススメできるドラム音源です。
今回はそんなBFD3のご紹介です。
CONTENTS
BFD3とは
BFD3は、FXpansion社から
発売されているドラム音源です。
まるでドラマーが
実際に演奏しているかのような
リアリティあるサウンドが特徴です。
ロックやメタル、ポップス、ジャズなど
ジャンルを問わず、
幅広く使うことができます。
音質について
打ち込み音源でありながらも、
生音を徹底的に追求した
そのサウンドは素晴らしいです。
まるでパソコンの中に
ドラマーがいるかのような
臨場感を味わうことができます。
まずは聴いてみてください。
再現性の高さ
BFD3では、
マイク間でのかぶりや
タムの共振までもが
細かく再現されています。
実際のドラムのレコーディングでは、
たくさんのマイクを使って
録音がされています。
バスドラ、スネア、タム、、、
といったように、
パーツごとにマイクを立て、
同時に録音します。
たくさんのマイクで
同時に録音を行うので、
スネアを録音するマイクは
ハイハットやタムなどの
他の音も同時に拾うことになります。
こういったマイク間での音の被りを
BFD3は再現することができます。
また実際にドラムを
叩いてみるとわかるのですが、
例えば、1つのタムを叩いた時、
叩いたタム以外のタムも
叩いたタムの振動で共振しています。
こうしたパーツ間での共振についても
うまく再現されています。
細かな部分までを再現することにより、
よりリアルなサウンドが実現されています。
アンビエントマイクについて
ドラムのレコーディングでは、
欠かせないアンビエンスマイク。
アンビエントマイクとは、
部屋の響きや空気感を
収録するものです。
実際のレコーディングでは、
ドラムの各パーツのマイクと別に
ドラムから数メートル離れた場所に
ステレオ(LR)で
配置することが多いです。
BFD3では、
最大8つのアンビエントマイクを
立てることができ、
部屋の響きや空気感までもを
コントロールすることができます。
動作の重さについて
DTMerにとって
音質の次に気になることは
動作の重さではないでしょうか。
どんなにいい音がしても
動作の重い音源は、
非常に扱いにくいです。
メーカーによる推奨動作環境は
以下の通りです。
■動作環境
Mac OS X 10.11-10.15
Windows 10 64bit
AU、VST (2.4)、AAX 64bit Native、
スタンドアローン対応*Intel Core i5 2400以上
(Core i7以上を推奨)RAM4GB以上
(8GB以上を推奨)画像解像度 1280×900以上
(ご利用のホストアプリケーションに準じます)
(メーカーHPより引用)
https://www.minet.jp/brand/fxpansion/bfd3/#specifications
ロスレス圧縮によるライブラリ
BFD3のサウンドライブラリは
なんと155GB。
他のドラム音源と比較しても
これは圧倒的な容量です。
これだけの容量だとCPU負荷が大きくなり、
ハイエンドクラスのPCでもなければ
データ処理が追いつかないでしょう。
音は良くても動作が重く、使い物にならない
といったことが起こりそうです。
しかしBFD3には工夫が施されています。
独自のロスレス圧縮という技術によって
サウンドに影響を与えず、
155GBのサウンドライブラリを
55GB程度の容量にまで
圧縮しています。
これによって、
サウンドライブラリ読み込み時の
CPUの負荷を大幅に減らし、
より軽快な動作をさせることに
成功しています。
155GB(圧縮して55GB)と
ここまで容量が大きい理由は、
同じ音のサンプルを複数含んでいたり、
ハイハットの微妙な開き具合などを
細かく収録しているから
などといった理由があります。
ドラムパターンの多さ
ドラムパターンも
数多く収録されています。
BFD3では、
プロのドラマーが
実際に演奏したものを
録音し、収録しています。
打ち込みに慣れていない初心者や
とりあえずのフレーズを
入れたい場面などでは
使い勝手がよく、オススメです。
またドラムフレーズを可視化できるため、
フィルの勉強などにも
利用することができます。
豊富なドラムキットプリセット
BFD3に収録されている
プリセットを使えば、
ミックスのできない初心者であっても
プロがミックスをした
ドラムキットを使うことができます。
このプリセットは
曲のジャンルやテンポなどによって
複数用意されています。
もちろん必要に応じて
ドラムキットや設定を
自分でカスタマイズすることもできます。
拡張性
別売のExpansion Packを購入すると
ドラムキットを増やすことができ、
さらにサウンドの幅を広げることができます。
サードパーティ製を含めず、
発売元のFxpansion社から
発売されているものだけでも
40種類を超える拡張音源があります。
購入前に気をつけること
音質も良く、設定も細かくでき、
拡張性にも優れているBFD3は、
非常に良いドラム音源ですが、
購入前に注意しなくては
いけないこともあります。
まずは冒頭でも述べたその容量です。
圧縮されて容量は少なくなっていますが、
それでも55GBの空きスペースが必要です。
当たり前ですが、
容量の大きくないパソコン、
すでに容量の限界をむかえているPCでは、
インストールすることはできません。
特にノートパソコンは、
容量の小さいものが多いため、
注意が必要です。
また高機能であるがゆえに
ドラムやレコーディングの知識が
最低限必要になります。
BFD3を使って
そのままドラムパターンを打ち込んでも
派手な音はしません。
他社音源であれば、
ベタ打ちであってもそれらしい音で
鳴ってくれるものも多いですが、
BFD3をそのまま鳴らすと、
レコーディング後のミックス前の音
といった感じの音がします。
作り込みがしやすい音ではありますが、
裏を返せば、
そのままでは使いにくい音です。
設定をしようにも
パラメーターの種類が多く、
使い方を理解できるまでは、
使いづらいと感じることも多いです。
まとめ
正直、他のドラム音源よりも
使いこなすのは難しいと思いますし、
使い勝手では、
他社製品の方が優れているかもしれません。
しかし打ちこみのドラム音源において、
ここまで深く音を作り込める音源は、
BFD3以外に
私は出会ったことがありません。
使いこなすことができれば、
本物のドラムと聴き分けが
つかないほどのものがつくれます。
生音が必要な音楽をしているなら、
持っておくべき音源の1つです。